「そこに沈む魔女 アクアリウムライライラ」の記事一覧
栞 【038】栞の四 シロフタリ 探したよ、白椿――――。 そう言った少年は、白兎でした。手には青い液体の入った瓶を握りしめ、彼は白椿の後ろ姿に声をかけたのです。 「お姉ちゃんと一緒にいた?」 振り向いた白椿の顔に […]
栞 【037】栞の三 AQUABILLY カランと鳴るのは来客を知らせる音。水槽がずらり並ぶ湿度の高い熱帯魚店の主は、なにも魚が泳いでいない水槽の壁面についた茶色いコケを三角定規のような器具で掃除する手を止めます。店の […]
栞 【036】栞の二 ある日、魚言葉 ある日。 「魚に出会う確率は高い。水草もよく見る。流木も、石も、今足元にある大磯だって。でもそのわりに見ないのよね」 「そうそう、箱庭では異様に器具を見かける確率が低いんだよなぁ。 […]
栞 【035】栞の一 チョコレートショコラ マリーとミアーリナは、ライライラたちと別れた水槽からさらに七つの水槽を経由した場所にいました。 「少し休むか。疲れただろう」 「はいっす」 「ほら、そっち座れ」 無数の黒い […]
第一部 アクアリウムの白 【034】第十四冊二章 ナカズカメラ 「ライライラ、諦めちゃだめよ。戦うだけが戦い方じゃないの」 「え?」 フォルナの言葉に、ライライラが顔をあげます。 「正直、こんな手は提示したくないのだけ […]
第一部 アクアリウムの白 【033】第十四冊一章 ナマズカメラ ライライラは怒りの形相で、フォルナを睨みつけています。 「で、ライライラ。あなたは白椿を生み出したのが私だと思っているの? 思っていないの?」 「わかって […]
第一部 アクアリウムの白 【032】第十三冊二章 電撃リップ 「なによ、このチンピラみたいなデンキウナギは。こんなイメージじゃないわよ」 そう言いながらフォルナも、デンキウナギのほうへ。 「ははっ、人の本能を勝手に決め […]
第一部 アクアリウムの白 【031】第十三冊一章 電撃ポップ ミアーリナとライライラは巨大な魚が閉じ込められた、透明な箱の前に立っていました。隠れ家を探す最中に、行き当たったのです。 「ライライラ……これ……」 その […]
第一部 アクアリウムの白 【030】第十二冊三章 わたしね、かみが長くなったの 「でもライライラ様、今の考えは捨ててください。帰還して、なにか強力な武器を持ってここに戻ってこようなど。どうあがいても、戦闘訓練を受けていな […]
第一部 アクアリウムの白 【029】第十二冊二章 わたしね、髪が長くなったの 「ライライラ様!」 ネクロゼリアが、ようやく駆け寄れた時も、ライライラはまだ息を吐き続けていました。 「ゆっくり、ゆっくりでいいですから」 […]