当辞典に記された事柄は導ともなりうるものですが、それゆえに知りすぎてしまうかもしれませぬ。一度見たものの記憶を消すのは困難。どうか、どうかご注意を。
※魔導辞典は時折情報を追加することがございます。追加の際はこちらにてお知らせしております。
あ a
アクアリウム akuariumu
一般的には水生生物の飼育設備を指す言葉。魔導士の間でも同義だが、水と魔力の性質が似ている(正確には似た部分があるという見方をする者が一定数存在する)などの理由から、魔導的な癒やしを与えるものとしても知られている。とはいえ目に見えてわかるような効果があるわけでもなく、大半の魔導士が趣味としてアクアリウムを楽しんでおり、魔導士協会からもそうした付き合い方が推奨されている。
アムナスの美味しい水 amunasunoishiimizu
MADE IN PERUの天然水。美味しい。
一般 ippan
魔導士ではない者を指す言葉として使用されることもあるため、その使用には若干の注意が必要である。
ウェパル光 ueparuko
魔力ゲルの発光現象。魔力ゲルを大量に使用した際に稀に見られる。
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ウェパル光の発見は、人体への魔力ゲル大量投与実験の最初期に起きた事故からであると言われている。その実験の被験者は全身が化膿し、魔力暴走の影響により異常増殖した蛆にまみれて実験開始から三日後に死亡している。
か ka
解析術式 kaisekijutsushiki
解析、分析などに用いられる術式の総称。分析系などとも呼ばれる。
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魔導学院では、ごく簡単な解析術式を基礎技能の一つとして教えている。高度な解析術を身につければ、研究、医療現場、邪教討伐隊など、様々なシーンで活躍できる可能性が高まるため、まずは“価値観としての解析”を覚えさせるのである。
言うなれば「つぶしがきく魔術」である解析術式の利用法は発達しており、人間が直接使用するだけでなく機械に組み込んで利用されるケースも珍しくない。例として、擬態魔法を見抜くための装置の“強化のための使用”を挙げておきたい。この例では解析術式は結晶化させた状態で機械に搭載されており、消耗品扱いとなる。コスト、盗難防止などの観点から官邸、魔導犯罪者収容施設などごく一部でしか採用されていないが、非常に優れた性能を持つ。機種として最も高性能なものは、魔導士協会よりリースされる最新型(型番M386)である。
回復術式 kaifukujutsushiki
人体、生物の回復に関連する術式の総称。疾病からの回復を行なうものもあるが、大半は負傷からの回復である。歴史も古く種類も多い系統だが、術式自体はシンプルなものが多く、該当魔術が使用できる者はそれなりに多い。ただし、総じて術者と式の相性がシビアであるため、同じ術式でも使用者による効果の差が大きく出てしまう。「回復は才能」と言われるのはそのためである。
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自身の回復に比べて他者の回復は術者への負担が大きく、適性をもつ者も少数となる。
回復術式は、皮肉を込めて早死術式と呼ばれることもある。それは、他者に対するものであっても、あるいは自身への付加術であっても回復術式に長けたものが邪教討伐隊などの戦闘を伴う職へ配属されることが多いためである。
余談だが、戦場では「回復術式を打つ」と言うことが多い。これには、医療行為である注射をイメージした説、回復術式の一種である“魔導物質の注射”
を指す言葉が“注射を伴わない回復術式”でも使われるようになった説と、微妙に違う二つの説が存在する。
影伸ばしの魔法 kagenobashinomaho
影を伸ばす魔法。“制限が多いジャンルの一つである幻術”に該当するが、古くから子どもの遊びとして普及していた魔術のため認知度は高い。
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魔導学院など、魔導士のための施設内での使用は禁止されていない場合が多いが、それ以外の場所では使用不可である場合がほとんどである。ただ、前述した通り認知度が高いため、この魔法が原因で“厳しい指導”を受ける者が時々現れる。つまりは、一般にもバレやすく“通報”されやすいのである。そうした背景からこの魔術は教員らの間で、道徳教材扱いされることがある。
寒暖の逆転 kandannogyakuten
体内魔力の影響で起きると思われる症状の一つ。単純に暑さと寒さが逆転するのではなく、雪の降る日だけ暑く感じる、食事のみ熱さと冷たさが入れ替わるなど、限定的に起こることが多い。
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一説には、解析術式を多用した者に起きやすいと言われているが、その真偽は未だ不明である。具体的な治療法は見つかっていないが、自然と治癒する場合もある。
擬態魔法 gitaimaho
自らの姿を他者へと変える魔法。現代においては(最高レベル同士を比較を行なった場合)擬態魔法よりもそれを解析する技術が上回っており、また術式や機器など、解析法が複数存在するため、それら全てを欺くことができる完全擬態は存在しないと言われている。
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擬態魔法自体は希少性の高い術ではないが、自らを別の姿へと変形させる術であるため、技術、魔力量共に要求度が高く実用できる者は意外に少ない。それらのことから擬態魔法を変化術の一つとして見る動きもあるが、動物などに姿を変える術式とは明らかに性質が異なり、また人が人以外のものとなる術式は、書物などで存在は確認されているものの未だ実用化は成されていないため、擬態魔法は「別人になる術式」と定義されている。
擬態魔法の一つの特徴として、実在の人物への擬態が軸となっていることが挙げられる。つまりは「存在しない人物」になりすますことが、実質不可能であるということである。術者が未熟であるなどして術式が完全に発動できなかった場合は、擬態魔法自体が不成立、もしくは「どこか不完全でクオリティの低い姿」となる。ただし、不完全といっても模した姿の要素が多く残った状態となるため、誰の姿になろうとしたかはひと目で分かる場合がほとんどである。高レベルな術者の中には、この法則を逆手に取り、意図して微妙に違う姿となることができる者が存在する。また、この術式による擬態は姿のみであり、能力や思考などが反映されることはない。ただし擬態により“元の姿での能力”が使えなくなるケースは存在する。
別人になり済ませるという特性から、禁術に指定すべきであるという声ははるか昔から存在するが、擬態魔法はよく知られた古典術式の一つであったため長らく保留状態にある。そのため、幾度となく一般と魔導士の衝突の原因となってきた歴史を持つ。特にカラーテレビが登場してからは、擬態魔法の必須条件である「なろうとしている姿をよく知っていること」を満たすハードルが低くなり議論が激化した。いくつかの国家では、魔導士のテレビ所有禁止令が施行されている(現在はほとんどの国で廃止)。
その問題が緩和されたのは、1972年に花名切八三郎博士により開発された「擬態魔法に単純反応する機械」によるものである。それらは防犯装置の一種として(多くの国家の後押しもあり)急速に普及した。一部の魔導士は自由に対する侵害として、設置されていないエリアへの居住を求める、自身の経営する会社や店舗への設置をこばむ、または機械の破壊などの抵抗を行なったが次第に沈静化、1980年代後半には、魔導士協会による魔導士及び擬態魔法の徹底管理が成されている国、地域では、擬態魔法が問題視されることはほとんどなくなった。さらに2010年代後半には、複数の国において擬態魔法が「魔導士の権利と共存の象徴」の一つとして見られはじめている。例として「一般社会に溶け込むために、擬態魔法を使用し(身体的な)魔導特徴を隠す」という行為を受け入れることが、日本社会で道徳の一つとなっていることなどが挙げられる。その反面、紛争地域では暗殺に利用できる術式として未だに忌み嫌われているなど、場所により温度差の大きな術式とも言えるだろう。
繰り返しになるが、技術、魔力量共に要求度が高く実用できる者は意外に少ない。
強化銀 kyokagin
銀を含む合金。通常の合金と異なり、魔導的な加工を施すことで高い強度を実現している。また、使用される「材料」は同じであるものの、配合のバランスなどにそこそこの自由度があるため「強化銀未満」と呼べるようなものも存在する。魔導士に利用される以外にも、対魔弾の材料として用いられるなどの形で、警察、軍などで利用されることも多い。また、建築に利用されたことがあるなど、一般社会に(それなりに)知られている魔導物質の一つでもある。
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その大きな特性として(製造時に魔術を使用するものの)強化銀自体は魔力を帯びていないことが挙げられる。現代においては、製造や販売、所有等には魔導士協会の許可が必要とされており、密造、密売は厳しく罰せられる。その対象には、遺跡等から出土した「古代強化銀」も含まれており、博物館などで展示されている品には全て魔導士協会による管理番号がつけられている。
強化銀は品質の幅が大きく、上質なものは非常に高値で取引されている。現代は、製造から流通まで全て魔導士協会が取り仕切っており、グレードの管理もしっかりと成されているため(正しいルートから入手すれば)まがい物を掴まされにくいという点でも、信頼の置ける金属である。一般的に質がよいものであればあるほど「重量を感じる」とされているが、例外も存在する。
見た目は「強化銀に銀の魅力なし」と言われており、貴金属的な人気は低い。その理由として、元となる金属の配合の具合、または加工のレベルにより見た目が安定せず「これぞ強化銀」という美しさを言い表せない事が挙げられる。ただし美しい強化銀も存在し(“魔導のもの”であり、“所有に許可が必要”というレアリティも加わり)一部で強化銀を使用した宝飾品がカルト的な人気を誇っているという事実もある。
最後に、強化銀の歴史の一端を知るための話として、「アイディユータスの骨」に触れておきたい。これは、ある古来魔導集団の長である「姫」のみが身につけることが許されているものであり、骨をかたどった大型のネックレス状の装飾品である。非常に美しい強化銀であるが、実寸よりもやや大きな、人間(成人サイズ)の左腕と左脚の骨、そして頭蓋骨をかたどったもので構成されているため非常に重量があり、ごく限られた場面でしか身につけられていない。身につける際は頭蓋骨部分を地面から離さず、持ち上げてはならないという掟もある。2018年には、当魔導集団の協力により初の分析が行なわれ、アイディユータスの骨の中に本物の人骨が隠されていることが発見された。なお、当魔導集団は魔導士協会の保護下にあり、その所在等は明らかにされていない。
賢者の棺 kenjanohitsugi
魔導士協会が所有する、超大型コンピュータ。その存在を知るものは限られている。
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図書館の書架のように筐体が複数に分割された形で設置され、棚の間を通る形でメンテナンスなどを行なう。魔導書に対応したスロットが多数存在するなどの特徴を持つため、その取り扱いには魔導的な知識も必要となる。賢者の棺を収めた部屋では、コンピュータに影響を出さぬよう原則として魔術の使用が禁じられている。また、室温は摂氏十六度に保たれているため、管理職員には“暖かい服”が支給されている。
クッション現象 kusshongensho
体内魔力が人間に与える影響の一つ。人間が動物の一種として生来持っているはずの暴力への恐怖感などと、外部刺激との間にまるでクッションが挟まっているかのような状態を指す。
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主な症状として、暴力に対する慣れ、麻痺などがあげられる。クッション現象は十三段階でレベル分けされており、実生活に影響が出るのはレベル五以上であると言われている。ただし、レベル五を超えるような者は極稀であり大半の者が「日常に支障なし」であるレベル二以下である。また、それなりの確率で「布一枚」と称されるほどに影響が少ない者も存在するが、完全なゼロは存在しない。
完全なゼロとできない理由として、クッション現象が魔力を持つ者全てに起きる現象であることが挙げられる。つまり、厳密に言えば、“魔導士認定されないほどの微小な魔力を持つ存在である一般”にも起きているごく当たり前の現象であるということである。ただし、一般で「布一枚状態」を超えることは特例中の特例であるため、“クッション現象は魔導士特有の現象である”とされているのである。細かい話だが、一般のクッションは布一枚以下である「紙一枚」が99.9パーセント以上である(紙が布より薄いという感覚も微妙だが、意味としては通じるだろう)。
要するに、クッション現象は「魔導士基準の魔力を持つ者、つまり魔導士は、一般よりも暴力に慣れやすい傾向がある」ということであるが、暴力に慣れているからといって暴力を振るうとは限らず、道徳観念が欠如しているとは限らないということは現代では広く認知されている。魔導士協会もそれらを踏まえた(魔導士への)教育を行なっており、多くの国、地域で実現された“クッション現象が問題扱いされにくい社会”は“一般と魔導が共に培った人道的価値観”として高く評価されている。「魔導士の凶行全てが、クッション現象を原因とするわけではない」という考え方は、現代における一般常識の一つといえるであろう。
“クッション現象が原因と見られる事件”も起きていないわけではないが、現代におけるそのほとんどが魔導士同士の事件であり、一般が被害者となったケースが少ないことも世間からの理解へとつながっていると見られることもある。また、ほとんどの国で魔導士は一般よりも重い刑罰が課せられるという事実もバランサーの一つとなっていると考える者も多い。補足として、ここ五十年間、日本で起きた魔導犯罪に対し執行猶予が認められた例はわずか二件であることを書き記しておきたい。
一方、クッション現象が社会に受け入れられている現状に否定的な意見も出ており「薄氷の上にいるようなものだ」という指摘も見られる。誰が言い出したか定かではないが、薄氷という言葉は一部で「魔導士社会のあり方を指す言葉」として定着しており、それらの問題を題材とした作品(楽曲、映画、小説など)において「薄氷」という言葉を使ったタイトル、表現を見かけることは多い(例:実際にあった魔導士リンチ殺害事件をモチーフとした映画「薄氷の湖」2001年)。
クッション現象に関連する問題の一つとして、クッション現象が(実際よりも)危険なもの、影響の強いものだと思い込んでしまう者が(魔導士、一般双方に)出ることがあり、社会福祉の一環として相談を受ける機関などが運営されている。
快楽術式 kerakujutsushiki
使用することで快楽を得られる魔術、または快楽を目的として作られた魔術の総称。
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快楽術式は、液体を飲む、魔法陣の上に座るなど、術式の発動になにかしらの物質を必要とし、その物質を媒介、依代などと呼ぶ。そのため、ほとんどの国では使用だけでなく、媒介の所持にも厳しい罰則が設けられている。
快楽術式と書いて「けらくじゅつしき」と読む。これは、魔導士協会により厳格に定められていることであり「かいらくじゅつしき」という読み方は、正しくないものとされる。一説には、あえて「かいらく」という一般的な読み方を避けることで、魔導学院の生徒等に「危険なもの」として強く認識させるためであると言われている。その説を裏付ける資料の一つに、“けらくじゅつしきという読み方のみが正しい”と定められた時期が、快楽術式が(日本国内で)初めて社会問題化した時期と一致しているという研究レポートがある。
快楽術式は世界的に禁じられているが、例外として許可されている場合がある。例としては、古来魔導集団の儀式使用。ただしこのケースは「魔術の性質が快楽術式に該当する」というだけのこととされ、正式には儀式魔術に分類されるため、補足説明などなしに快楽術式という言葉を用いるのは不適切であるとされている。
高等魔導士 kotomadoshi
魔導士としてレベルの高い者を指す言葉。どこからが高等かという明確な基準はない。また、魔力ではなく立場が上位のものに対して使われることもある。
口内炎を作る魔術 konaienwotsukurumajutsu
使われるととてもつらい。
珈琲豆 kohibin
魔導士協会の運営するカフェ。横浜支店を除き一般の利用も可能となっている。店舗によりオリジナルメニューが存在したり、共通メニューでも味に差があったりするため、各店舗を渡る「豆頭」と呼ばれる独特のファン層を持つ。
高崎支店のパスタは共通メニュー、オリジナルメニュー含め「別物」と言われるほどレベルが高いことで知られており、一般客、豆頭からの評価は高い。ただし高崎というエリア全体で見れば、まだまだ人気パスタと呼べる領域に到達できていないため、高崎支店のスタッフは日々パスタ作りの研究をしているらしい。
古典秘術 kotenhijutsu
古い魔術の中で秘匿性の高いものを指す言葉だが、古い、新しいの境界線が明確存在するわけではないため、人によりこの言葉から連想する魔術は異なる。
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また古典秘術という用語が公式に存在するわけでもないため「古典秘法」「古代秘術」など、言葉自体にもゆらぎが生まれる。要するに、魔導関係で使われるそれっぽい言葉の一つである(研究に携わる者は、多くの言葉が“似たようなもの”であることを覚えておくとよいだろう)。
秘匿性の低い古い術式は、古典術式などと呼ばれることがある。
公認絶縁者 koninzetsuensha
日本で採用されている、身内から魔導士が出た場合に公的に絶縁できる制度。家庭と魔導士の問題解決手段の一つとして立案された。
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絶縁された者の籍は魔導士協会の預かりとなる。
魔導士化さえしていれば誰でも受けられる制度と誤解されていることもあるがそうではなく、「一定量以上の魔力を有しているか」「魔導士化により家庭内外に問題が起きているか」などの審査基準がある(審査基準は一部のみ公開されている)。また審査の際は、魔導士化した者以外、つまりは対象の家族の精密検査なども行なわれる。審査費は家族構成、状況などにより異なるが、四人家族(内、魔導士化一人)で十万円以内に収まると言われている。
この制度を実際に利用する者がそう多くない背景として、家族愛、世間の目、審査通過後に必要となる(正確には必要となる可能性がある)追加費用などが挙げられるが、専門家らの間では魔導学院、魔導関連職などに“異様に寮が充実している”など、(絶縁をしなくとも)魔導士化した者を遠ざけるシステムが完成していることが“大きな理由”として注目されている。
ただし世間一般の認識はそこまでのものではなく、ただ単純に「魔導士化しても家族は家族」という見方が強い。近年行われた世論調査では、若年層に最も「公認絶縁者制度に対する反感」が見られた(ただし三十六パーセントの人間が“制度を知らない、またはよく理解できていない”を選択している)。
古来魔導集団 koraimadoshudan
古来より続く魔導的背景を持つ共同生活集団のこと。“魔導士基準の魔力は誰にでも備わるものではない”という観点から、その集団に属する魔力を持たぬ者も含めての呼び方である。
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文化、歴史などの尊重のため、古来魔導集団として認められた集団は「魔導士協会に所属しない権利」が与えられる。その権利は、協会未所属であっても“一般の敵”ではない、また“魔導師扱いにはならない”と示すためだけでなく、希少魔術強奪のためなどの理由で狙われやすい古来魔導集団を保護するために重要なものとなっている。また同じく保護の観点から集団の所在、存在などを明らかにしないケースもある。
固有魔術 koyumajutsu
一人だけが使用できる魔術、もしくは「はるか昔には存在した(可能性がある)が、現代では同じ魔術を使う者が確認されていない」などの理由から、一人しか使用できないであろう魔術のこと。所持品により固有を実現している場合や、譲渡可能(ただし、譲渡後は受け取った者だけが使用できること)な魔術なども含む。
さ sa
彩内リオ saidairio
そこそこの人気を持つ日本のシンガーソングライター、ボトロP。楽曲は(彩内リオ個人運営と思われる)オフィシャルサイト「性善悪説」で配信し、その全てが無料で利用制限もない。音源は全てmp3でダウンロード可能となっている。
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そこそこの人気ミュージシャンとなってそれなりに経つ現在では「彩内リオは最初からオフィシャルサイトで配信していた」と思われがちだが、デビューは動画配信サービス「ブクブク動画」であり、アカウントは現在も残っている。ブクブク動画時代の投稿は三曲でその後の追加はなし、現在の作風と大きく異なるため賛否はわかれるが、熱狂的なファンからは聖地扱いされており、それぞれの投稿日(12月31日、2月8日、2月10日)にはそこそこの数のコメントが寄せられる。
初期は歌声合成ソフトウェア「ボトロイド」を利用した楽曲を発表していたが、十四曲目以降は自身と思われる声で歌った作品が中心となった。完全にボトロイドの使用をやめたわけではなく、時折ボトロイドを使った新曲や、自身のボーカル曲のボトロイド版が配信されている。
そこそこブレイクしたのは、オフィシャルサイト移転後からちょうど十曲目(総計十三曲目)の楽曲「鏡に向かって手を合わせ」から。特徴的なサビに合わせてダンスを踊った動画の投稿が日本の若者の間でブームとなったことをきっかけに、その他の楽曲にも注目を集めた。自身のボーカル曲を発表(十四曲目)した際に、人気動画配信者「もっこちゃん」がホラーゲーム配信動画のオープニングで使用したことも、認知度の向上につながったと言えるであろう。
顔出しをせず、SNSアカウントやブログを持たず、またメディアへの露出もないが、他に、そのようなスタイルで活動するボトロPも多いため「謎のミュージシャン」というほどではない。ただ、過去に一度「偽彩内リオ」がサイト(現在は閉鎖)を作り音源を販売した事件があり、現在もSNS上で彩内リオを騙るアカウントがいくつか見られるため「彩内リオは露出をしない」「喋る彩内リオは偽物」と理解するのがファンのマナー、そして布教の際の補足事項となっている。そのため「彩内リオについて話すときに“正体不明”とかわざわざ言うやつはガチファンだからめんどくさいぞ」「布教の際に偽物について説明するのは楽しんでもらうためだから許してくれ」というような話がSNSで時々、そこそこバズったりすることもある。
楽曲のPVにはイラストや3Dで作成されたキャラクターが出ることが多いが、一律ではなく、複数のキャラクターが存在する。一部のファンは、そのキャラクター全てを“彩内リオの姿”とし、それぞれのビジュアルから、赤リオ、青リオ、ちびリオなどと、愛称をつけて区別している。PV、イラスト、3Dモデルの制作者は不明だが、ファンの間ではそれも彩内リオが作っているという認識が一般的である。
一部では熱狂的なファンをリオックと呼ぶことがある。この呼び名は、彩内リオが十八曲目「ころゝころゝころ」のPVにて、手描き風のリオック(Sia ferox)を登場させたことから、ファン本人、及びファン同士の間で使われ始め、徐々に広がっていった。
ザフロハナツ群馬 zafurohanatsugumma
群馬県をホームタウンとするプロサッカーチーム。温泉で有名な群馬県、花津町にて立ち上げられたチームであるため、ザフロ(The風呂)の名を持つ。チームカラーは紺碧に金。エンブレムは、花津町の町花である石楠花をイメージしたもの。ホーム戦の際に出店されるスタジアムグルメがとても美味しいことでも知られている。
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参考として、ここにザフロハナツグンマの応援歌をひとつ、記しておく。
オーオオー花津 オーオオー花津
オーオオー花津 オーオオー花津
勝利めがけ放つボール
勝利めがけ狙えゴール
花津! 花津! 放つ! 花津!
CC6 shishishikkusu
ダブルシーシックス、シーシーロクとも呼ばれる快楽術式。Change、Chance、Crazy、Champion、Charge、Congratulation。この六つが二度繰り返されるほどの快楽があると言われている。媒介は、結晶のような輝きを持つ薄い赤色の液体。
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経口摂取で体内に取り込んでからしばらくした後、腹部を殴打することで発動させる。そのため、常習者は腹部に痣がある者が多く、痣腹などと呼ばれることがある。また、腹をたたくことからポンポコ、狸などの隠語も存在する。
発動の際に軽く発光する性質を持つが、発光は体内で起きるため目視は不可能である。
死後式 shigoshiki
術者の死後に発動する術式。死後術式とも。
死者蘇生 shishasosei
霊魂を呼び戻し、死んだ者を蘇らせる魔術。(現代魔導論においては)霊魂の存在証明自体が行なわれていないため、実現不可能な魔術の一つである。
ジムナーちゃん jimunachan
熱帯魚のジムナーカスをモデルとしたキャラクター。アニメ「アバアバジムナーちゃん」放映中!
邪教組合 jakyokumiai
魔導士協会の敵対組織。本部を中心とした一組織型である魔導士協会とは違い、複数の組織が寄り集まる形でできている。また、最上位に位置する者の情報は一切不明である。世界的に公共の敵とみなされており、魔導士協会だけでなく、国家との直接的な衝突が起きることもある。
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ルーツは不明だが、過去には邪教組合より「魔女狩りに対する抵抗組織に由来するものである」と声明が出たことがある。なお、この声明は魔導士協会が全面的に否定している。
邪教組合が忌むためにつけられた名である「邪教」を名乗り続ける理由には複数の説がある。最も有名なのは、わかりやすい名にすることで、未所属の者たちが“どのような組織なのか”理解しやすいようにした説。これは、時代背景的に情報の伝達が難しかった発足当時に「邪教扱いされたらここへ」と知らせるために非常に有効であったという記録が残されている。その記録には、あえて邪教と名乗ることで、自分たちを邪教扱いした者たちに対する抵抗の意を示したという旨も記されている。
御存知の通り、魔導士協会は魔導士を管理する組織であり、宗教的な存在ではない。そうした理由もあり「邪教組合は、自ら邪教と名乗りだした」という説が主流であるが、邪教組合からすれば先に邪教扱いしたのは魔導士協会であると、水掛け論が続いている。前述したとおり、ある時代に邪教扱いされた「魔女たち」をルーツとするという邪教組合の主張も認められていない。ただし、協会と組合の立ち位置がはっきりしている現代においては、そうした論争は一部、もしくは過去のものとなっており、世間一般では「魔導士協会に従わないもの=邪教」というシンプルな見方が定着していると言えるであろう。
発足後ほどなくして邪教組合は、反社会的な組織としての発展を見せる。その中で、邪教からのバックアップの商品化、つまりは魔導の力を犯罪的行為などのために組織的に提供するというモデルが構築され、世界各地に点在していた魔導悪を結びつけ一つのネットワークへと育てていったのだ。つまり邪教組合は名実ともに邪教となったのである。
邪教組合という名付けは「成功」と言わざるを得ないのが、歴史学的に面白いところでもある。
魔導士協会による“魔導士、魔導集団統一及び保護のための行動”はかなり古くから行なわれていたため、協会や一般と敵対はしていないものの「教義に反する」などを理由に魔導士協会への所属を拒むなど、結果として協会未所属、つまりは“悪くない邪教となった者”の救済は邪教組合よりも(組織力のある)魔導士協会のほうが優れていたケースがほとんどである。魔導士協会は(公共の敵ではない)未所属の者を受け入れる「特例枠」を邪教組合発足以前から設けており、その活動を重要視していたのだ。つまり、邪教組合が“悪い邪教”をメインターゲットとしていなければ、かなり早い段階でその存在意義を失い、魔導士協会に吸収されていたはずなのである。その影響もあり、邪教組合内の“自らを邪教と呼ぶことに抵抗、または興味がない者”や、“誇りに思う者”の割合は増加し続けている状態である。また、時代が進むに連れ「邪教」という名と、人間の持つ「悪」に憧れる心理がフィットしていった流れがあり、これが、組織拡大の追い風となったとも言えるであろう。
ここまでの解説とやや矛盾するような話だが、現代においても邪教組合が「弾圧への抵抗」を理由に活動や人員の増加などを行なっている地域などがあることは、書き加えておきたい。彼らが「悪の組織」であるというのは、あくまで全体的な視点からであり、別の角度から見ればそのあり方は“ご都合により”様々なのである。たとえば、南米では邪教組合未所属で、非武装の反魔導士協会集団が複数存在しており、そのうちのいくつかが邪教組合の保護下にある。つまり、彼らにとって邪教組合は救済者なのである。
邪教組合の傾向の一つとして、「自ら邪教を名乗ることはよいが、組織外の者が邪教扱いすることは許さぬ」場合があり、意に反する者には徹底的な制裁を加えることがある。特に“邪教呼ばわりが個人を対象とした場合”に、(個人の保護を建前に)それらの行動が見られる。例として、一人の少年に対し「邪教徒」という言葉を使用した新聞社への抗議として、配達員や新聞の購入者計十二名の惨殺加工死体をインターネットを通じ公共の目に晒した事件を挙げておきたい(死体時計事件)。「これは不当な言説に対する抗議活動である」と発表した(当事件の実行犯でもある)組織「フラットワールド」に対し魔導士協会は「残虐行為の正当化である」と強く非難、徹底的な掃討作戦を行ない、最高幹部を含むフラットワールドのメンバー大半を殺害した。その際の調査により、フラットワールドという組織が、犯行からわずか三ヶ月前に作られたことが明らかになっている。今解説した通りフラットワールド自体は壊滅済みであるが、その背景にいたと思われる邪教組合幹部は取り逃がし、さらにはその詳細を明らかにすることも叶わなかったことは忘れてはならない。唯一わかっているのは、その人物の二つ名「ドクターフィクション」だけである。
生い立ちなどから“邪教組合に所属するしかない者”たちも多く、そうした環境下では「自らが公共の敵とならざるを得なかったのは魔導士協会のせいである」という思想をもつ者が非常に多い。近年ではそのような考え方が一般(の一部)にも広がりつつあり、SNSなどでは(悪質なジョークを含め)邪教組合を擁護する声が時々見られるようになっている。余談だが、世界最大手の動画サイトの収益化プログラムなどにおいて邪教組合の擁護は違反行為とされているため、そのような商売をする者は(規約変更などにも)注意しておいたほうがよいだろう。
邪教討伐隊 jakyotobatsutai
魔導士協会の戦闘部隊。部隊名として、魚に由来する名を冠する風習を持つ。
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基本的に戦闘を生業とすることから、国や地域により認知度に大きな差がある。具体的に言うならば、魔導犯罪すらめったに起きない平和な地域では魔導学院の生徒ですら邪教討伐隊について現実味を帯びた話ができない、紛争地帯では自ら志願する子どもがいることがあたりまえ、というような差である。そのため、邪教討伐隊の認知度は「平和を測るバロメーター」と言われることがある。
その名に「邪教討伐」とつくのは、最初の部隊が“邪教との戦いのために作られた存在”だからである。現在は魔導書や魔導具密輸の摘発、要人警備、災害救助など様々な活動をしているが、最重要任務は敵対組織である邪教組合との戦闘であることは間違いないため、今後もこの名が変わることはないであろうと考えられている。魔導士協会には邪教討伐隊以外にも“社会協力などをする隊”が複数存在しており、地域によってはそれらのほうが知られている場合も珍しくない。また、邪教討伐隊であることを伏せ別の名前で活動しているケースも存在する。
邪教討伐隊は適性さえあれば子どもでも採用し、また、相手が邪教組合である場合は一般の軍隊などでは考えられない手段も許可されているため「軍隊もどき」「まがいもの」などと揶揄されることもある。多くの討伐隊員はそれを自覚しており「我ら軍隊もどき」「人でなし行進曲」などという歌すらも存在する。
邪教討伐隊の禁忌は、その必要性と正当性を証明できる場合を除き「一般に危害を加えてはならぬ」ということである。邪教討伐隊員が使用する兵器の多くが、対象以外を巻き込みづらい手持ち可能な対人兵器(対魔導士用含む)であるということにも、そのルールの影響が見て取れる。また、武器に対する制約を含む様々な制約を回避するために、邪教討伐隊が軍組織、警察組織などと共同で作戦を行なうこともある。
地雷術式 jiraijutsushiki
罠型魔術の一種。前を通る、踏むなど(単純な)物理的刺激がトリガーとなりダメージを与える術式のこと。
死霊魔術 shiryomajutsu
死霊を利用した魔術。霊魂の存在証明自体が行なわれていないため、実現不可能な魔術の一つである。
隧道陣 zuidojin
トンネル内に展開することを目的に開発された魔法陣型の術式。(大規模魔術とまではいかないものの)大型の魔術であり、その仕掛け自体も高度で大掛かりなものになることもあり、まだ日本国内に設置された三つの試作型のみしか存在しない。開発の目的は、陸路の封鎖であるがその必要性自体、是非が問われるものでありプロジェクトは停止中といえる状態である。
全唱 zensho
呪文を全て唱えること。
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全唱は、発動確率や効果の向上を狙う、もしくは儀式的な意味合いを持つことが多い。全ての術式が呪文を必須とするわけではないことからもわかるとおり「あえて唱える」ケースもある。
た ta
大規模魔術 daikibomajutsu
規模の大きな魔術。大規模術式と呼ぶことも。
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現代において大規模魔術という言葉を使うときは“実現不可能なほど規模が広い”魔術を指す。実際に視野をこえるような広範囲に干渉する術式は現存せず、知られているのは存在したことすら疑われるレベルの“伝説”のみである。
大規模魔術は過去に幾度も実験が行なわれているが、全て失敗している。
(かなり制約はあるものの)通常規模の魔術を連結することで疑似大規模魔術ともいえる結果を生み出すことは可能である。ただし、手間、費用などが異常にかかるため実現された例はごく僅かである。
体内魔力 tainaimaryoku
生物が体内に有する魔力。
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体内魔力は常に一定ではなく、増減や循環の乱れ、部位への偏りなどがある。つまりは、体内魔力は上手く使えば素晴らしい結果を生み出すことができるものであり、逆に、それを起因とする不調も起こりうるものであるということである。そうした観点から、魔導士にとって「体内魔力運用」は、非常に重要なものとなっている。魔導士協会の掲げた標語「魔力の乱れは心の乱れ」は忘れないようにしたい。
体内魔力の流れには右利き、左利きのような個人差が存在するため、基礎を学んだ後は個人特性に合わせたトレーニングを行なうことが一般的である。
トレーニングにおいて重要視される考え方の一つに「対」がある。これは、左右対称をイメージすることで魔力を安定させ、様々な運用に転じるための基本形とされている。戦闘において「魔導士はこめかみを殴れ」という言葉があるが、これは魔力がこめかみ付近で対の流れを描きやすいという性質を逆手に取り、それを乱すという、魔導格闘術における基礎的な考え方である。
ほぼ対の習得はそこまで難しくはなく、健康にもよい。むしろ不均等や一極集中を強調した運用のほうが負担が大きく、はるかに難しいものとなる。「完対」はさらに難しいものであり、魔力運用の極致の一つとして考えられている。しかし、完対から得られるメリットは少なく、不均等や一極集中のほうがメリットが多いため目指す者は非常に少ない。
余談だが「対」を「たい」ではなく「つい」と読む者も存在する。これは、正式な用語ではないため道場などでは使用しないよう心がけたい。
対魔導士用兵器 taimadoshiyoheiki
魔導士と戦闘を行なうために開発された兵器。高い防御力を誇る魔導士にダメージを与えようとした場合は、高額で製造が難しいものが必要となる。さらに高レベルな武器は使用負荷が大きいことがほとんどであるため、必然的に「高レベルな武器は高レベルな魔導士が使用する」こととなる。
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一般と魔導士は共生関係にあるため、敵対することはない(一般に敵対する者は魔導士ではなく魔導師である)。そのような背景があるにも関わらず「対魔導士」という言葉の使用を、魔導士協会が咎めた例はない。これは、協会が“魔導士が犯罪に走ることを抑止するため”にあえて推奨しているためである。
有名な対魔導士用兵器に、対魔導士用の銃弾がある。一般(警察や軍、民間警備会社など)での採用の影響もあり誤解されているが、一定レベル以下の魔導士は通常の銃弾で十分損傷、殺害が可能である。
対魔導士用の銃弾には様々な種類があるが、最も使用されている銃弾は強化銀製の銃弾である。これは、体内魔力の影響で強度が上がることがある魔導士の骨を貫通、及び破壊するために用いられる。誤解を避けるために記載しておくが、強化銀自体は魔力を帯びていないただの硬い金属である。
特殊な銃弾の例として、術式を搭載しているものが挙げられる。術式搭載型にも複数の種類があるが、ここでは二種の弾丸について触れておきたい。まずは、シンプルに破壊力を高めたもの。こちらは、ある程度のレベルまでは単純な術式の搭載で良いため、強度の高い魔導士の破壊用として用いられている。ただしこれを行なうためには、ベースとして質のよい強化銀が求められ、また時間とともに術式が劣化するため、雑に生産したり撃ちまくれるほどの“安物”
ではない。
次に紹介したいのは、さらなる高級品。物理的な衝撃では対処が難しい特殊な防御術式の突破を目的とした銃弾である。こちらは、搭載する術式が複雑になるためその生産には銃弾としてあるまじき手間がかかり、さらには搭載できる術式が非常に少なく、さらには別の手段で対処したほうが確実であるケースも多いため、机上の空論で終わることがほとんどである。コメディ映画の例で恐縮だが、一発四百万ドルの対魔導士弾を跳ね返した物理攻撃絶対無効防御陣を展開する“スナイパー殺し”に対し“一千万ドルの銃弾を開発するプラン”を検討する軍上層部を後目に「所詮、全方位防御ではない」とムスコーギ大尉が空爆を行ない倒したのは(誇張表現ではあるが)あながち間違いではないのである(映画「それが空」1988年 より)。
補足として、魔導的な強化をしていない普通の銃弾を、それが効かぬ魔導士に効かせる方法を記しておきたい。身も蓋もない言い方だが、なにかしらの方法で防御力を低下、もしくは無効にしてから銃弾を撃ち込めばよいのである。
さらなる補足として「魔導弾」という言葉について記しておく。こちらは魔導的な処理をされた弾のことであり対魔導士用でないものも含まれる。ただし、魔導弾の使用は原則として対魔導戦に限られるため、対魔導士弾と魔導弾が同じ意味で使われる場面がほとんどである。
使い魔 tsukaima
魔術で使役した生物のこと。原則として人間は含まない。
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ネームバリューの高さやその定番的イメージから人気が高い魔術だが、非常に高度な魔術で、実際に実現できた者は非常に少なく、ほとんどの魔導士にとっておとぎ話のような存在である。むしろ、創作のネタとしての認知度が高く、魔導士の登場するアニメや漫画などにはかなりの高確率で使い魔が登場している。現時点での、「使い魔アニマル アニメ登場数TOP5」は、以下のとおりである。
一位 ネコ
二位 コウモリ
三位 フクロウ
四位 カラス
五位 架空の生物
転移魔法 tenimaho
陣から陣へ空間を超えて物質を転移させる魔法。伝説の魔術の一つとして認知されており、実在することを知る者はごく僅かである。
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術者自体が非常に少ないが、危険な術式であるため複数の国で対策が取られている。ただしその対策自体も、ほとんどが極秘扱いである。例として、日本は島国という構造を活かし“領域”の外からの転移をほぼ完全に防御するシステムを構築している。その実現には、日本、魔導士協会双方の秘密予算に加え「実験協力国」の予算が使用されている。
特定術式 tokuteijutsushiki
特定の条件を満たした人物のみにしか、使用が許されていない術式のこと。条件や許可のあり方は対象となる術式により様々なので、ここでは割愛する。また、特定術式に固有魔術は含まれず、固有魔術の使用が禁じられる場合はまた別の話である。
な na
匂いを消す魔法 nioiwokesumaho
物質から発せられる匂いを消す魔法。自身と、それ以外のもので術式が異なる。
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自身、それ以外、どちらも中級といえる程度の難易度であるが、長時間持続させるにはそれなりの魔力量を要求される。また匂いの強さや質により、結果が左右される。
自身の消臭を行なう場合は、体内魔力運用を基とするため、それに長けた術者は(体内魔力運用系の)他の場面でも優れた結果を見せる場合が多い。
虹に華 nijinihana
ボトロイドを利用し作成された楽曲のタイトル。作詞はミズ・ネミミ、作曲はサシガメP。現時点での総再生数は約三万七千。
ニルソン魔導平和賞 nirusommadoheiwasho
化学者アマンダ・ニルソン(1832-1879年)へ敬意を示す形で始まった平和賞。魔導が関連する平和的行為を行なった者へ贈られる。選考方法は非公開。受賞者の発表も不定期ではあるが、平均してみると三年から四年の間に一名ほどである。
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アマンダ自身が魔導士ではないことを理由に、賞の名に対し反感の声が上がることもあるが概ね好意的に受け入れられており、世界的にも名誉ある賞の一つとなっている。基本的に個人に贈られる賞であるが、2020年には魔導士協会ブラショヴ支部が「人類にとって極めて危険な魔導書の発見と処分」という名目で受賞した。
ヌードルラーメン nudoruramen
ラーメンチェーン店。看板メニューはヌードルラーメンで、次いで人気がラーメンヌードルである。
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様々なエリアに進出しているが、全県制覇はまだ遠い。現時点での最新店舗は、藤枝店である。一部の店舗を除き、朝五時まで営業している。
濡れ雨傘事件 nureamagasajiken
魔法陣を描いた雨傘を開くことで術式を発動させ、周囲の者に一時的な体内魔力暴走などを起こさせた事件。
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実行犯の男が、雨の中傘もささずに佇んでいた姿を多くの人が見かけたことから濡れ雨傘事件と呼ばれている。使用された術式自体は弱いものであったが、雨水がその威力を増幅させたと見られている。
事件後、雨の日に傘を開かず歩いていた人への暴行事件(短距離の移動のため傘を開かなかったとのこと)、魔法陣風のイラストを描いた傘を(事件前より)販売していた玩具メーカーへの抗議騒動などにも発展。また、同玩具メーカー製、及び自作を含む類似品を街中で開く悪戯も多発し、魔法陣、及び魔法陣風イラストの書かれた傘の使用、及び製造が法的に禁止されるまでとなった。また当事件は(魔導士協会本部設置後の)日本唯一の魔導テロ認定を受けた事件でもある。
濡れ雨傘事件に関わった者が全て捕縛されたと正式な発表があったのは、事件から五十一日後のことである。捕縛された者は合計で十二名、その大半が日本国外で身柄を拘束された。事件現場で傘を開いた者は一名であるにも関わらず、十二名もの人物が捕縛されたのは、魔導士協会がテロを企てた集団全てを制裁対象とした結果であり、その迅速かつ厳格な行動は世界的にも高く評価された。特に評価された点は、同団体が計画していた「濡れ雨傘を含む七つのテロ計画」のうち六つを未然に防いだことである。
犯人らは魔導士協会、邪教組合どちらにも所属していない魔導師の集団であり、複数のテロ事件を機に、協会と組合に次ぐ第三の魔導団体として存在感を示そうとしたと見られている。当団体は三つのチームに別れており、団体名、チーム名をつなぐと一つの呪文が完成する。そのため。団体名などは伏せられることとなり、報道では「濡れ雨傘事件の犯人ら」と記されることとなった。
邪教組合は濡れ雨傘事件に無関係であると自ら発表を行ない、情報の開示や捜査などに協力した。邪教組合が魔導士協会に協力すること自体が極めて異例のことであるが、多くの専門家は、事件現場が“それまで一度も魔導テロが起きなかった”“魔導士協会本部所在地である”日本であることが大きく影響したと見ている。
は ha
花名切八三郎 hanagiriyasaburo
「擬態魔法に単純反応する機械」という歴史上重要な発明で知られる、魔導と一般の共存に大きく貢献した博士。なお、本人は魔導士ではない。学者であると同時に慈善活動家としても知られ、世界各国に展開する魔導士専門孤児院である「夢の窓」の創設にも大きく関わった。1979年、アフリカ大陸にて行方不明となっている。
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補足として、古来魔導集団の保護活動により「ニルソン魔導平和賞」を受賞した花名切水果は八三郎の親戚にあたる人物であることを書き加えておきたい。
パンメ pamme
一時魔導士の間で流行した、いたずらメール。声に出して読み上げることでお腹がパンパンにはって痛くなる。パンパンになるメール、略してパンメである。
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ガルドラボークを元にアレンジされたと言われているこの魔術は、魔導士の間だけで流行したため一般に流出せず、わざわざそんな内容のメール文を読み上げる者もいなかったため、大事にはならなかった。とはいえ、“魔術の不適切な利用”であることに間違いはなく、魔導士協会に報告されると、送信した者にはそれなりの罰が与えられる。
PICTUS pikutasu
日本のカメラメーカー。一眼レフを中心に熱いカメラを作っている。
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PICTUSの一眼レフの特筆すべき特徴としては、やはりグリップを挙げねばならぬだろう。手が大きな人に小さな人、素手、厚手の手袋などなど、様々な人々、シチュエーションでがっしり持てるグリップはPICTUSの信頼性の象徴だというファンも多いのだ。百聞は一体験にしかず。みなさまもぜひあのグリップを握り、ファインダーを覗いてみてほしい。そこには、光学ファインダーならではの素敵が見えるはずだ。
腐生術式 fuseijutsushiki
腐敗とともに効果を見せる術式。死後式と組み合わされることもある。
二つ名 futatsuna
魔導士には優秀な者に二つ名をつける風習がある。多くは身近な人間の間でのみ使用される愛称のようなものだが、一部、魔導士協会公認の二つ名も存在する。
(体毛、瞳などの色の)変質 (taimo, hitominadonoirono)henshitsu
体毛、瞳などが人ならざる色に変化する現象は体内魔力量が多い、または強力な術式の使用の影響で現れる(場合がある)症状の一つである。
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色だけでなく、星空のように見えたりなど、色のありかたにも変化が現れるケースも存在する。また、黒やブロンドなどの人にありうる色に変質するケースもあるが、それも含め「人ならざる色」とされている。その理由として、変質した黒髪は一般の黒髪と同じ色に見えても、不可視なレベルまで検査範囲を広げると「人にはありえぬ構造により発色している」などの違いが発見されることが挙げられる。
また、あまり知られていない事実として、体内魔力が多いとはいえない、強力な魔術を使用してもいない魔導士に変質が現れたケースがある。これはかなり稀有な例であるため変質した者と敵対した場合には、弱き者である可能性を考えぬほうがよいだろう。あなたが、真の強者でない限り。
翻訳術式 honyakujutsushiki
発声をリアルタイムで翻訳する術式。高度なものであると、翻訳に合わせ口や喉の動きも連動する。
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その利便性の高さより、習得難易度がそれなりに高いにも関わらず利用者は多い。同時に、使い心地の悪い魔術としても知られ、嫌う者も少なくない。また、皮肉を込めこの術式を「逆バベル」と呼ぶ者がいることにも触れておきたい。
関連事項として、いくつかの国で見られる、翻訳家や通訳などの“職業としての利用禁止”がある。これは一般の雇用を守るための措置だと言われているが、政治的なパフォーマンスにすぎないという批判もあがっているため、近年では緩和の動きが強い。例えば、日本では禁止は継続しているものの罰則は廃止、事実上黙認状態となっている。
ま ma
魔導医 madoi
魔導的な医術を行なう者。回復術式に長けたものを魔導医に含む場合もあるが、回復と医療は厳密には異なるため完全にイコールとしないよう注意したい。
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一般医術を習得していない者が含まれる場合もあるが、通常は一般医術、魔導医術双方を行なえる者を指す。ただし、魔導医に認定されるための試験は存在せず、その認定は魔導士協会が個別に行なっている。
魔導医は基本的に、魔導士を相手にした仕事だが一般を対象することもある。医療と魔導の関係性は人類にとって大きな課題であり、今後も求められていくであろう。
魔導改造 madokaizo
魔導的な改造のこと。対象は機械や生体など様々である。
魔導具 madogu
魔導に利用される道具。
魔導空間 madokukan
魔力、術式などにより維持されている空間の総称。人工のものだけでなく、天然の空間に対しても使用される。
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魔力、術式の影響がみられる空間の全てを魔導空間と呼ぶわけではなく、一般的には「魔導的要素がないと成立しない」もしくは「魔導的要素がないと成立しないと思われる」空間のことを指す。蔵書の持つ力により巨大な書棚が数センチ浮いた状態で維持されている大英図書館地下十三階の魔導書庫は、わかりやすい例である。
魔導空間自体が非常に珍しいものであるため、実際に入った者、目にした者は少ない。また、現在確認されている魔導空間のほとんどが魔導士協会の管理下にあり、接触が制限されている状態である。
“魔導空間と呼べるほどではないがそれなりに魔導的影響がある空間”のことを指す「準魔導空間」という言葉があるが、メディアなどでは準をつけないことも多く、魔導士協会もそれを許している状態にある。これは、一般が接触できるものは準魔導空間に該当するもの(の中の一部)のみであり、準をつけぬことが問題になることがほぼないと考えられるためである。また、パワースポットなどのいくつかは準魔導空間である。
魔導空間、及び準魔導空間の管理は、その性質や規模により様々であり、国家、魔導士協会の管理下に置かれるもの、土地所有者が権利を持つものなど様々である。所有権を巡る係争などもしばしば起こっており、一部の魔導空間は、社会的、国際的にも取り扱いが難しい存在となっている。
天然、及び古代の魔導空間を専門で探すいわゆるトレジャーハンターも存在するが、発見の可能性の高いエリアは、無許可での探索が違法とされていることがほとんどであり、国家、魔導士協会による正式な調査隊も存在するため、個人が参入するのは非常に難しいことである。
魔導士 madoshi
古くは様々な意味を持つ言葉であったが、現代では一定量以上の体内魔力を持つ者を指す言葉と定められている。
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魔導士であるかどうかは体内魔力量で判断しているため、当然、魔術が使えぬ魔導士も存在することとなる。魔術を使用できる者を区別する呼び方として「魔法使い」などが使われることもあるが、こちらは公的に定められた用語ではない。
全人口に対する魔導士の割合は公的に発表されていないが、これは魔導そのものが秘匿されるべき存在であった時代の影響を強く受けた風習でもあるため今後も継続される見込みである。
現代の魔導士は認知された存在であり、その存在を知らぬ者は「生まれたばかりの赤子だけ」と言われた時代ですら遠い過去である。事実、魔導士と一般の間の摩擦がほぼないと言える国や地域では、魔導士も多くの場面で一般と変わらぬ行動をすることができる。またそうした国では魔導に対する法整備も成されており、対応する機関、及び機関内の部署などもごくあたりまえのように運営されている。
例として、日本では「魔導士だから」という理由で立ち入りを禁止される場所は、公的、私的な理由双方においてごくわずかしか存在しない。また、魔導士のみに発生する各種手続きのうちの大半を、一般向けの役所内の窓口で行なうこともできる。
魔導師 madoshi
魔導士協会所属の者は魔導士、それ以外の者は魔導師と、同音異字の言葉を利用し区別を行なうという考え方により生まれた呼び方。日本ではじまった文化の一つでもあるが、日本語依存の考え方のため、ほとんどの国で浸透していない。また、日本においてもこの区別を使用するものは限られており、正式な使い分けと言うには程遠い存在である。
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各種メディアにおいても(協会所属の者、未所属の者双方に対し)魔導士、魔導師どちらの使用も見られるが、魔導士協会からその使用法について言及されれた例はない。その他、呪文を唱える者という意味をこめて魔導詩、協会未所属の者を忌むために使用された魔導死、魔導四(四は死を連想する数字として)などという表記もあるが、こちらはさらに狭い範囲で使用されたものである。
補足として、こうした「同音異字」を好む魔導士がそれなりに存在することを記しておきたい。これは、一部の魔術、特に呪詛の分野で同音異字が重要なファクターとなっていることから始まったものと思われる。ただし、現代において呪詛は“好ましくない魔術”の一つであるため、ただの言葉遊びとして嗜む程度がほとんどである。
魔導士基準(の魔力量) madoshikijun(nomaryokuryo)
魔導士は、一定以上の魔力を体内に保有する者を指すが、それ以下の者は、微弱な魔力を保有していても「魔力を持たない」とするのが一般的である。その理由として、全ての“一般”が微弱な魔力を体内に保有していることが挙げられる。つまり、基準値以下の魔力は人間として当たり前のものなのである。
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魔導士、一般問わず研究者などでの間では「魔力を全く持たぬ存在」はパーフェクトゼロと呼ばれ、そうした存在を作出しようとする研究は禁忌とされている。
また禁忌に関連する事象として、人間以外の生物からも魔力が検出されている事実がある。1993年に行なわれた、非常に多種多様な生物をサンプルとした実験「世界自然魔力検出」でも、対象の全てから魔力(極めて微弱なものを含む)が検出されている。その研究は世界協力研究として行なわれ開始当初で全国家の七割以上、最終的には八割を超える国が参加した。その結果を発表する際に、当時の魔導士協会会長エルルノフの発した「パーフェクトゼロが存在するとすれば、それは真の意味で神に背く存在だ」という言葉はあまりにも有名である。なお、当時の実行委員会は発表後三年で解散した。
完全な余談だが、人間以外の生物が保有する魔力を研究する上で推薦したい資料として、論文「ノキシノブの通常個体と変異個体の魔力量の違い、及び人間に与える影響について(tatsumi shigisawa 2018年)」を挙げておきたい。これは、某大学の卒業論文として作成されたものだが、非常に興味深い内容であった。当論文についてかいつまんで説明すると、ノキシノブの魔力量の個体差は変異に関係なく現れるものとしており、変異個体に人が惹かれ、注目するのは完全に「心」によるものであるという内容である。変異個体の入手に苦労したのかサンプルの数が少なく、仮説レベルにとどまってしまっているが、面白い着眼点であった。使用された変異個体は、斑入り(無銘)、土佐五芸、象の鼻、鬼面童子である。
魔導士協会 madoshikyokai
魔導士を統べる協会。魔導士間では協会と略されることも多い。魔力量検査により魔導士認定された者は、ほとんどの国で所属が義務となっている国際的な機関である。また、それらの国では魔力量検査も義務である。現在の本部は日本。
魔導士ちゃんねる madoshichanneru
魔導関連の話題を中心とした匿名掲示板。
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一般的なブラウザで見るとなかなかに見づらいため、専用アプリ「majosan」を利用して閲覧する者も多い。ただし、majosanから書き込みを行なうとIDの最後に「m」がつくため、専用アプリを好まない者からの攻撃対象となる場合がある。なお、攻撃の名目は「非公式アプリだから」である。
魔導車(魔導改造車) madosha(madokaizosha)
魔導的な改造を施した車のこと。警察組織内などにおける正式な取り扱い名称は魔導改造車。エンジンだけでなく、外装やタイヤなどに改造を施している場合も含む。規制や違反に対する罰則は厳しく、使用には魔導士協会の検査と許可が必要となり、多くの国で一般の所有が禁じられている。日本を例に挙げるならば、正式に登録された車両の約八割が消防、警察、自衛隊に配備されているが、所有は全て魔導士協会である。また、魔導車検は最長で一年ごとであり、それらは国家監視下にて魔導士協会認定機関により行なわれている。
魔導書 madosho
魔術及び魔術に関する書物などに対して使われる言葉。「魔導士協会による魔導書認定」が存在するが、認定されていない書物に対して使われることもある。
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魔導書は実に幅広い言葉であり、魔導書自体が魔力を帯びているもの、術式などではなく魔導士の心得を記したもの、など様々なものを含む。
魔導書に区分される書物のいくつかは一般書店などにも流通しているが、それらは全て魔術的実用性がない、もしくは極めて低いものである。また、出版社がクレームなどを避けるために、(登録する必要がない程度の)魔導的な内容を含む書物を魔導書として登録するケースもある。魔導士協会による魔導書認定基準のゆるさが時々話題として挙げられるが、一般流通の是非を決める基準は非常に厳しいため、問題と言えるほどの論争には至っていない。
魔導書として認定、及び登録された書物は全て魔導士協会の管理となり、一定レベル以上のものは所持、閲覧などに制限がかけられることとなる。ただしこの世に存在する全ての魔導書を管理できているかと言えばそうではなく、まだ発見されていないもの、または不法に所持されているものなどが存在し、魔導書の収集(または回収)は魔導士協会の重要な仕事の一つとなっている。活動の一つとして、魔導書の回収を専門とする邪教討伐隊の部隊が複数存在し、それらを管理する部署(通称:書店)が存在することが挙げられる。
また、書物の形をしていないものを魔導書と呼ぶ場合もあるが、それらは「あえて」である場合がほとんどである。
魔導書庫 madoshoko
魔導書を保管している書庫。施設によっては、魔導具などの保管場所を兼ねている場合もある。
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厳密には、魔導士協会管理下にある書庫のみを指す言葉であるため、それ以外の場所での使用、つまりは、書店などが魔導書庫という言葉を店名にすることなどが非推奨とされている。しかしそれは、古い時代の「忘れ去られたルール」の一つであるため、知る者はほとんどなく、現代では多くの場所で魔導書庫という言葉が使用されている(例:コンセプトカフェ黒色魔導書庫)。
魔導病院 madobyoin
魔導的な症状を専門とする病院。
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一般の病院との区別のため“魔導専門”としてはいるものの、実際は様々な症状に対応するために、外科や内科などの一般医療技術や設備を持っている場合がほとんどである。
関連施設として、魔導医療研究所があるがこちらは研究を主目的としているため、特例を除いて患者の受け入れを行なっていない。
魔導封印 madofuin
人、及び生物に対し、特定の魔術の使用等を封印する術式。最初期の術式と思われる一型は消失しており、現存するのは二型以降の研究改良版である。各型については以下一覧を参照。
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一型 ※詳細不明(消失認定済み)
二型 特定の術式の使用を封印
三型 特定の術式の使用、及び関連する記憶を封印
四型 特定の術式、及び関連する記憶の偽装記憶への変換
五型 ※開発凍結
六型 ※開発凍結
七型 ※開発凍結
八型 ※開発凍結
九型 特定の術式、及び関連する記憶の透明化(透過期間への昏迷措置を伴う)
魔導封印は危険性の高い術式のため特定術式に指定されている。また、応用として記憶の封印に用いられることもある。
魔導四戒 madoyonkai
多くの国で採用されている国際的ルール。
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- 一般を傷つけてはならぬ
- 一般を損なってはならぬ
- 一般を下げてはならぬ
- 国家に魔導を与えてはならぬ
以上が(日本語に翻訳された)魔導四戒である。このような、抽象的なものであるため様々な解釈が存在する。
「4」はそのまま、国家が魔導を所有、つまり魔導士を公的な仕事につかせたり、国家が魔導を利用した武力を所有してはならないというものである。そのため、魔導四戒適用国では、該当するものを使用する、及び物事を行なう場合は「魔導士協会と連携」することとなる。
魔導屋 madoya
魔力を持つ者、及び魔術を使う者全てを指す言葉として使用される口語的な言葉。特に「魔導士」「魔導師」と、同音異字の区別をする者に使われる傾向がある。
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同じような用法をされる言葉に「魔法使い」「魔女」などがあるが、こちらは一般社会に浸透している用語であるため、あえて解説するようなものではない。
魔力結晶 maryokukessho
結晶化した魔力のこと。結晶化に別の物質を必要とする場合もある。
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結晶化自体は珍しいことではない。ただし、対象魔力の性質の違いなどの影響で結晶化が難しい、及び不可能な場合もある。また、同じ魔力を同じ手法で結晶化させても純度や見た目が異なることがあるため、魔力結晶は“不安定な価値”と呼ばれることがある。また、人体に魔導的な影響を与えないものであれば、一般への流通も可能で、質の高いものは宝飾品、観賞用として利用されている。
発動過程で結晶化が不可欠な術式もあるため、魔導学院では魔導結晶について学ぶことは必須とされており、実際に結晶化実験を授業で行なっている。
魔力ゲル maryokugeru
魔力を含むゲル状の物質。人工的に生成されるもので、大怪我や手術時などに減少した体内魔力を一時的に補う際などに利用されている。
魔力除去手術 maryokujokyoshujutsu
体の一部に魔力を集中させ、その部位を切除することで体内魔力を減少させる手術。術後に魔力の再増加がおきることもあるものの、保有する体内魔力量が一定量以下の者に施術した場合は「生きている間に魔導士基準に戻ることはない」と、ほぼ確約できる状態にできるという目安が存在し、(現代における)その精度はかなり高いレベルであるといえる。また、外科的、魔導的双方の視点から、施術者により結果が大きく異なるものであるため、“名医”が求められやすい手術でもある。
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魔導士以外は施術対象にならない手術でありながら、魔導士から一般人へと戻るための手術として社会からの認知度はそれなりに高い。以下に例として、日本国内における魔力除去手術の扱いを挙げる。
保険適用外ではあるものの、一定の条件を満たしている場合には補助金が出るなどの制度がある。補助を受けるための主な条件(概要)は以下の通りである。
- 国家に認定された魔導医による施術
- 国家に認定された施設での施術
- 術後の魔力量が魔導士基準以下であること
- 術後の生活に著しい支障が出ない範囲での切除であること
- 存命中に魔力量が魔導士基準まで回復しない(と思われる)こと
注:正確な条件及び詳細は日本魔導医師会発行の魔力除去手術ガイドラインを参照すること
「国家に認定された魔導医」による施術料には明確な基準が定められており、それを超える金額を要求した場合は違法行為となる。ただしこれは一般人に戻ることを目的とした手術のみが対象であり、魔導士のまま魔力量を下げる手術には料金設定の上限はない。そうした違いから、魔導士の中には、施術を受け一般人となった者を「出戻り」「魔逃者」「ジャンパー(魔逃者→纏うもの→ジャンパーと、借金をジャンプするから来ている言葉だと思われる)」などの侮蔑を込めた呼び方を用いるなどして見下す者が一定数存在する。魔力除去手術と同時に希望される手術、及び魔術に「魔力の再増加を抑えるなにかしら」があるが、そうしたものの大半は副作用が大きいなどのリスクを伴うため、いわゆる「出戻り手術」では国家により使用可能な術式が厳しく制限されている。
魔力除去手術の問題点として、除去しようとする魔力の量が多ければ多いほど切除部位に対する融通(部位の選択、サイズ など)が効かなくなることが挙げられる。また、体内魔力量が多いものほど再回復しやすい傾向にあるため、一定レベル以上の魔力を保有する魔導士に対しては実質無意味、もしくは不可能な手術である。
魔力紋 maryokumon
魔力を帯びた紋章。生物、魔導書、鉱物などに自然発生するものを指す言葉であったが、現在では人工的に作り出した紋章も含む。
魔力酔い maryokuyoi
魔術の使用や体内魔力のバランスを崩した時に起こる症状。目眩や痺れ、ひどい場合は意識の消失に至る場合もある。
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術者自身の魔力により起きる症状だが、周辺魔力が濃い場合や魔力物質の摂取を行なった場合などにはいわゆる「ソトモノ酔い」を起こす場合がある。
稀に慢性化、または長期間継続することもあり、ひどい場合は魔力除去手術などで対応することもある。
関連する事象として、実際はなにも起きていないのに魔力酔いを起こしていると錯覚する精神症状に触れておきたい。魔術には、肉体、精神に負担をかけるものが多く存在するため、そのような気の所為に悩む者が少なくないのである。
魔力量検査 maryokuryokensa
個人が体内に保有する魔力の量を計測し、魔導士基準に至っているかどうかを調べる検査。ほとんどの国で義務化されている。体内魔力量は変化するものであるため、検査は精度だけでなく「機会を増やすこと」も重要視される。
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以下に、日本における魔力量検査の現状をまとめる。
発生の割合でいえば、魔導士化するものは少数派であるが、社会的な影響、また管理の面から魔力量検査は国民の義務とされている。
年齢などにより受けるペースは異なるものの、存命中は全国民が受け続けなければならない検査となっている。検査回数が最も多いのは、最も魔導士化しやすい出生からの一年間。次いで変化の出やすい義務教育期間には、毎年四月と十月に行なわれる年二回の詳細検査が義務となっている。義務教育期間後は魔力量の変化が少なくなっていく傾向にあり、二十二歳を境に魔導士化する者の人数は極端に減少するため、以降の検査はそれ以前と比べ、ゆるいものとなる。
余談だが中学の就学期間が三年から四年に延長された際(1948年)には、前述した「変化しやすい年齢」が大きく影響したと言われている。また、成人年齢が二十二歳に定められた(1869年)のも、同様の影響があったものと思われる。
いわゆる検査漏れは起こりうることだが、役所などへの簡易魔力量検査装置の設置や、通院時の“ついでの検査”によりその数はかなり少なく押さえられている。また、検査と検査の間、つまりは知らないうちに魔導士化していた場合でも、犯罪を犯した際には魔導士法が適用され、さらには魔導士認定を受けている者よりも刑が重くなる傾向にあるのは周知の事実であり、それが検査の拒絶に対する抑止力の一つとなっている。
魔力量検査には義務検査とは別に、任意で受けることのできる検査が存在する。これは大きく分けて、国家と魔導士協会による公的な検査と、(公的な運営を除く)医療機関などによる民間検査が存在する。公的な検査は基本的に安価であり、また状況によっては保証を受けられる制度が整備されている。
民間検査は機関によりレベルの差はあるものの、不認可での検査が法的に禁じられているため玉石混交というほどの状況ではない。むしろ全体的な傾向で言えば民間検査のほうがレベルが高いと言えるであろう。また、民間検査に定められている基準は最低基準だけであり、上に関しては指定がないため「高額、高精密」な検査を行なう機関も多い。その他、民間検査が高額になりやすい理由に、魔導関連事業の税金の高さも挙げられる。
魔力量検査は「一般から魔導士」という方向だけでなく「魔導士から一般」という可能性、要するに魔導士の魔力量が魔導士基準以下となっていないかを調べるためのものも存在するが、そちらは国による義務化はされておらず、魔導士協会により管理実行されている。
最後に、一般常識ではあるが「魔導士認定」は魔力量検査なしでは行なわれないものであることを記しておきたい。
魔力炉 maryokuro
魔力を運用するための炉。空間に対し魔力を効率よく循環させるためのもの、エネルギーを生み出すものなど、様々なタイプが存在する。
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魔力と科学を融合させた魔力炉は禁忌とされていた時期もあるが、現在では(条件付きで)開放されており様々な研究が進んでいる。ただし、魔力炉は総じてコストがかかりやすく、実現難易度も高いため「必要性の時代において、力を入れるべき分野ではない」と言われることもしばしばである。事実、魔力炉がインフラなどで利用されている例は一切存在しない。
ミュナちゃん myunachan
漫画「恋グリップ」のヒロイン。
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もともとは漫画「恋のグリモワール」のヒロインのライバルキャラであったが、圧倒的な人気があったためスピンオフ作品「恋グリップ」で正ヒロインの座を獲得。過激さと下品さが売りのギャグ漫画である恋のグリモワールに対し、恋グリップはシリアスな恋愛漫画となっている。そのため、連載開始当初は恋のグリモワールファンから猛烈なバッシングを受け、炎上に至った。現在でも、グリモワール派とグリップ派の抗争は続いており、どちらも好きという層の声が最も小さく両派からコウモリ野郎と蔑まれることもしばしばある。
恋グリップは実質ミュナちゃんのための漫画のため、「主人公より主人公」と言われているが、グリモワール派の間では「ミュナちゃんが主人公」とストレートに言われている。その理由として、スピンオフ開始から今日まで“完全になかったことにされている設定”であるミュナちゃんの圧倒的な握力(右122kg 左145kg)と、タイトルにつけられた「グリップ」の関連性が挙げられる。
なお、恋グリップ三巻のあとがきでは「恋グリップは、いつかミュナちゃんが大好きな人と手をつなげるようにという願いを込めたタイトル」と原作者が語っており、グリモワール派からはミュナちゃんが恋人の手を握りつぶすことが待望されたが、初の手つなぎ回はなにごともなく終了し、その後も度々手をつないでいるため、握力の弱い同姓同名の別人説、パラレルワールド説、ドッペルゲンガー説、手首の腱を切られた説など、いろいろと考察されている。また、原作は同じで作画が別々という理由から、原作者不在説なども語られている。
恋のグリモワールの略称が恋グリであった影響もあり、「恋」の後に「の」が入らない恋グリップはファンの間で「のなし」と呼ばれている。派生形として「焼け野原」という呼び方も存在するが、これは恋グリ派がつけた蔑称であるため、のなし派は使用しないことが暗黙のルールとなっている。
モケーレムベンベ mokeremubembe
ラッパー。簡単な言葉だけで組み立てた曲「へいYO! おはYO! あそぼうYO!」が言葉遊びを題材にした子ども向け番組「みられるみらくる」で採用、その後同名でコーナー化(視聴者投稿を元にラップするコーナー)したため一躍有名人の仲間入りとなった。
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個人として活動する以外にも、ミクスチャーバンド「メガロメガラン(通称:メガメガ)」でボーカル兼パーカッションを務める。その際はモケーレムベンベではなくコンガドラグーンと名乗っている。
や ya
ら ra
ランク ranku
魔導士のレベルを分けるための一つの基準で、魔力量、所有魔術など様々な理由から決定される。
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有名な例として、邪教討伐隊に所属するものはBランク以上の魔導士でなければならないとされている。
略唱 ryakusho
本来の呪文ではなく簡略化した呪文を唱えること。
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略唱用の呪文の開発は進んでおり、多くの魔術で使用することができる。また、高等魔導士の中にはオリ略(自身だけのオリジナル略唱)を持つ者もいるが、そのためにはそれなりの知識と構成力を必要とされる。
もともと、戦闘中に使用しやすくするために生まれたものであるため「相手に聞き取れないくらいの小さな声」で行なうことが正しいとされている。実際に小声が発動条件に含まれるものも多いが、中には、大声でも発動できる魔術、大声でしか発動できない魔術なども存在する。
霊魂召喚 reikonshokan
霊魂を呼び寄せる魔術。霊魂の存在証明自体が行なわれていないため、実現不可能な魔術の一つである。
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魔導士協会は霊魂の存在の「完全肯定」を行なっていないが、同時に「完全否定」もしていないといえる。その証拠の一つが、世界各地に古来より存在する降霊術である。